読図は「地図を読むこと」ですが、実際のナヴィゲーションに使う場合、地図だけを読んでいては、その用をなしません。ナヴィゲーション時の読図の大きなもくてきの一つが現在地を把握すること。そのためには、地図と風景を対比させる必要があります。風景から地図に描かれているはずのものを読み出し、それを地図に対応させていく。これが実践的読図のポイントなのです。
この問題では、まず尾根の形(プロフィール)と等高線表現を対応させるのが第一のポイントです。写真をみると、この尾根は左が高く緩やかなピーク(Aの上あたり)、そこからいったん急斜面で下りきり(B点)、その後しばらく緩やかで、右側に低いピーク(C)となっています。等高線からこれらのピーク、斜面を読み取ることができますので、それを利用して対応点を探します。BC点はこれで自動的に求まるでしょう。尾根線をはずれた点Aですが、これはさらに写真を詳しく見ると、左のピークから手前に張り出した尾根の左にある沢の中の少しでっぱったところだと読み取れます。つまり谷の中の尾根です。そこで、地図上の位置だと判断できます。