あっという間に年の暮れも迫ってきました。師走とはよくいいますが、私は一年中走ってる感じです。特に年の後半は、日替わり定食のように次々と故障していた体も少しづつ回復し、オリエンテーリングにロゲイニングに活動的になれた年でした。
11月4・5日に千葉県勝浦市で行われた全日本ミドル・ロングでは、5日のロングでM60のデビュー戦を果たしました。全日本のM21で上位に入り、エリートに出場する夢は失ってはいません。実際、ミドルはM21に出場し、ルートミスの自覚もある中で17位でしたので、まだまだ上位は狙えるという実感は得たものの、ロングの地図の縮尺1:15000はいかんともしがたい。しかも微地形の発達した勝浦。それがロングでのM60のデビュー戦につながりました。
M60だからといって決して楽勝ではありません。努力がそのまま順位につながるM21と違い、M60では当然「結果」が求められる。その分、M60の方がプレッシャーがかかります。2つの中程度のミスをしたものの、最後まで諦めずに走った結果が20秒差の1位。この歳にして改めて、諦めずに走ることの大事さを痛感したレースとなりました。
19日には、西東京ロゲに参加。パートナーに誘った女子選手に「上位を狙いにいくのと、ナヴィゲーションを楽しむのとどちらがいい?」と聞くと、後者を選んだので、「勝手に古地図」参戦。さすがに初めての古地図では、インカレで優勝する実力のある彼女も、十分な切れ味を発揮できませんでしたが、CPそばでの「目のよさ」には驚きました。他の選手と一緒にナヴィゲーションをし、その特徴を直に見ることができるのも、ナヴィゲーション・スポーツの楽しさだと感じた次第です。
こうしたイベント参加の合間を縫って、11月25日には、大学のスポーツ系の教員とともに地域の子どもにナヴィゲーション体験をしてもらうイベントを近隣の小学校で実施しました。多いとはいいがいたい参加者でしたが、参加してくれた子どもの多くがラビリンスOに何度も何度も挑戦する姿が印象的でしたし、喜びでした。
Mnopの各種イベントでも、引き続き、ナヴィゲーションの多様な楽しさを提供してまいります。
当法人は、ナヴィゲーションスポーツの普及やアウトドアの安全のために、イベント、講習会の開催や大会への技術サポートを行っています。今後は、以下の行事を開催、協力していきます。また、村越が関係する他団体の行事も掲載しました。
下記のうち、①有度山トレイル三昧、ではお手伝いいただけるスタッフの方を募集しています。特にスキル・知識は問いません。
また、お手伝いではなく、運営や指導の勉強をしたい方も実費での参加を歓迎するイベントもあります。お問い合わせください。
東京の立正大学で、日本地図学会の例会「読図とナヴィゲーションの実践知を探る」が、12月2日に開催されました。一昨年から同学会に設立されたナビゲーション部会の主催する例会で、その名の通り読図やナヴィゲーションの「現場の知恵」を探ろうというものです。
当日は、オリエンテーリングのトップ選手である小牧弘季選手、稲毛日菜子選手、ロゲイニングの帝王の異名をとる柳下大選手をゲストスピーカーにお越しいただき、ナヴィゲーションをしている時の「脳内解剖」を試みました。午前中には、余興として提供した古地図によるナヴィゲーションを小牧選手、稲毛選手も回ってくれ、参加者と一緒に具体的なコース攻略を踏まえて、ナヴィゲーションや読図の考え方を紹介してくれました。
議論の中で興味深かったのは、地図記号を知り、そこから必要な情報を読み取ることが重要であることは言うまでもありませんが、加えて、地図の情報の信頼性、自分の行動がどの程度うまくいくかといった事を敏感に感じ、それに対応していることが、実践知の重要な核となっていることでした。
実はこの研究会、関東のスプリント選考会を静大で行った際に、出場した慶応大学のK選手が、「ナヴィゲーションがうまくなる研究ってないんですか?」と聞かれて、「確かにオリエンテーリングを対象とした研究はいくつかしてきたけれど、実力に直結する研究はしてこなかった」と大いに反省していた時に、地図学会の例会の企画が持ち上がり、瞬間的に閃いたものでした。
この例会とその準備を通して、30年来考えていたことを改めて考え直す機会となりましたし、理屈の面からナヴィゲーションや読図を考え直してみることも読図の楽しさの一つだと再認識させてもらいました。近いうちに、Mnopの会員の皆さんにも、この研究会の余録をお伝えできればと考えています。