コラム75 生きて帰る

5/15に、大学の公開講座の一環として、登山家の岩崎元郎さん、県警の眞田山岳救助隊長を招いた講演会を行った。眞田さんの話しは、安全に還るための7箇条なのだが、そのうち2つは、山岳遭難救助の現場に立つ人として、生々しい話しとともに、教訓の多い話しだったので、そこに焦点を絞る。

 

①遭難通報は本人が110番か119番へ

現在約半数を超える遭難で、携帯電話による救助要請が行われている。この時、所轄の警察署に電話したり、自宅を介して通報すると、直接110番や119番に電話するよりも救助が遅れる可能性がある。現在多くの警察・消防で位置探知システムを導入しており、最近の世代の携帯では電話した場所が比較的容易に特定できるようになっているからだ。自宅はもちろん、所轄の電話(0***-***-0110であることが多い)でも探知ができない。遭難者は多くの場合自分の場所を特定して伝えることができないので、この探知機能がないと、場所の同定に時間がかかることになってしまうのだ。

 

なお、静岡県警は残念ながらこのシステムの導入は来年3月なので、それまでは消防の119番の方が、位置把握が早いという裏話のような貴重な情報も・・・

 

②ヘリに発見される工夫

救助のヘリが飛んでもなかなか発見できないという話しは山岳遭難ではよく聞く。眞田さんのプレゼンで見せてくれた写真でも、遭難者を写真中に発見できた受講者はほとんどいなかった。冬枯れの山で赤いヤッケを着ていてもである。こんな時サバイバルシートが役に立つということだ。別の場所では、「煙を上げるのもよい」、「木を揺する」と聞いたことがある。とにかく目立つようにアクティブになること。そこがポイントのようだ。

 

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