公立学校で中高一貫教育を試行する学校が各都道府県に作られはじめている。こうした学校の適性検査(入学試験と呼ばずにたいていこう呼ばれる)では、いわゆる入試問題とは違う、「考えさせる問題」を出題することが多い。今年ある県で出題された適正検査に地図を使った問題が出題された。
問1では、山の等高線と二つの登山道が示され、あなたならどちらの登山道から登るか、またその理由を問う問題であった。いずれの登山道も同じ標高から始まっているが、一方は短いが急峻、他方は長いがなだらかなものである。この問はどちらを選んでも、理由があっていれば正解にされるものと思われる。
問2では、大規模商業施設を立地させる場所として適切な場所を3つの選択肢から選び理由を述べさせる、問3は観光の街として発展させるための方策について考えさせている。
いずれも地図という「ごちゃごちゃした」媒体から、解答に必要な情報を選び出すところから、問題解決が始まる。現実に根ざした推論も要求される。地図が思考のためのよいツールだということに、改めて気づかせてくれる興味深い試験問題であった。